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henna

北西部ラジャスタン産のヘナが全国の加工工場に運ばれる

地図をご参照いただくとわかるが、インドのヘナの産地は、北西部のラジャスタンとグジュラート地方に集中。ついでに説明すると、紅茶に関してはインドの北部、南部、東部などで栽培される。

ちなみに、最高級といわれるダージリン紅茶は、北東部で栽培される。 ヘナの最も品質のいいものが栽培されるのは、ラジャスタン産というのが、地元インドでの評価だ。 水や土壌が豊かで、しかもすぐれた品質のための最大の条件といえる直射日光に恵まれているからという。

インド東部のカルカッタで平均45度といわれる気温が、インディア砂漠地帯にあるラジャスタン地方では、砂地が多いために日中は 50度にまではね上がり、夜は平均10度にまで下がるという。
1日の中でも、温度差が異常なまでに激しい。しかも雨量がわずかで、したがって湿気も少ない。これは労室のヘナを栽培するには理想的な環境で、逆に湿気が必要な紅茶とは違う。

人間が生きていくには過酷な環境だが、ヘナの栽培には非常に適した条件が揃っているという。 採り入れが終わったヘナは、産地のラジャスタンに近いニューデリーをはじめ、カルカッタ、ムンバイ(旧ボンベイ)など、インド全域の加工工場に運ばれる。加工工場では、それをパウダー状にして、さらにジアミンなどをブレンドして製品化する。

実際に、インドのニューデリー近郊の加工工場に問い合わせたところによると、パウダー状にしたあと、
PARA AMINO PHENOL(P.A.P=パラ・アミノ・フェノール>やPARA PHENYLENE DIAMINE (P.P.D=パラ・フェニレン・ジアミン)をブレンドして、黒く染める色出しの処方をしているという。

ヘナが主成分ではあるが、ブラックへナに限っていえば、アルカリカラー剤と基本的には同様の製品ということになる。 加工工場には、産地から葉と茎を一緒に摘み取って、それを梱包した状態(写真参照y)で運ばれてくる。より品質のいいものを求めるならば、茎の部分は捨てて、葉の部分のみをパウダーにすると、当然ながらコスト的には割高になるが、品質レベルは上がる。 いうまでもないが、ナチュラルヘナは日本からの特注品で、パウダー状にして以後は、いっさい手を加えていない。

日本茶や紅茶と同じように何度も繰り返し葉を摘む

ラジャスタン産は、ナチュラルな状態では淡いレッドに染まる。
そのほかには、色の出ないニュートラル、ジアミン系の色素などをブレンドしたイエロー、ブラウン、ブラックなどがある。

日本茶と紅茶と同様、ヘナの葉も何度か繰り返し摘む。そこが年に1回、秋に収穫する米やワイン用の葡萄とは違う。 ただし、繰り返し摘むとはいっても、メインは10月、11月で、この時期の葉が品質としてはベスト。7月、8月は雨季のために休止期。蛇足になるが、紅茶も「レイニング・ティ」といって、雨季に採り入れた商品は評価が低い。

例年10月に、年間のプライスが決定(4月以降は雨季を控えてプライスが若干アップする)。そして、 10月と11月の採り入れが終わるといったん休んで、次には4月、5月に採り入れる。 5月の途中から6月から雨季の7月、8月、そして9月いっぱいまでは採取しない。
つまり、10月と11月、そして4月と5月の年2回、採り入れが行われるのがラジャスタンでは一般的だ。

また採り入れ時期だけでなく、精製法や精製したメッシュの状態(パウダーの粒子の細かさ)、さらには鮮度によっても品質には大きな違いが出る

鮮度のいいものは、ちょうど抹茶のように鮮やかなうぐいす色で、香りもはっきりしていて香ばしい。鮮度が落ちたものは、色も香りも当然ながら劣る。一方、ジアミンなどの入った加工色は色、香りがまったく違うので、ナチュラルヘナがそうでないかは、慣れればすぐに見分けられる。







黒髪文化・インドならではのブラックヘナ

このインド原産のヘナは、頭髪用としてだけでなく、工業用染料など、さまざまな用途・目的で世界中に輸出されている。 もちろん、国内での需要も大きい。

インドでは、赤い髪は良くないとされ、忌み嫌われているために、黒髪か白髪の人しかいない。
日本だって、
1945年昭和20年の敗戦を境に、欧米の文化が圧倒的な勢いで流入してくるまでは、有史以来、「黒髪文化」が脈々と息づいてきた インドでは、今も黒髪文化黒髪崇拝が生きつづけている。だからこそ、赤やオレンジに染まるナチュラルヘナではなく、ブラックヘナが愛されているのだ。

今でも残るカースト階級制度のインドでは、身分の高い人たちは就寝前にココナツオイルかジンジャーオイルを頭髪につけて、朝それを洗い流して、ブラックヘナをつける。 「髪は命」というお国がらだから、階級の低い人々にも広く浸透している習慣だ。時間があってないような国だから、今日は「ヘナの日」と決めると、 1日中、頭髪にヘナをつけたままにしておく人も多い。

インドには、ヒンドゥー教とイスラム教が混在して、大勢力として張り合っているが、ヒンドゥー教徒の人たちの間では、
ヘナは吉祥の女神・ラクシュミーが好む植物として信じられてきた。ラクシュミーはシヴァ神と並んで、ヒンドゥー教徒の熱心な崇拝の対象となっており、ヴィシュヌ神の妻で、幸運と美の女神。

「家内安全・繁盛」を願って、インドの女性たちはラクシュミーの女神を熱心に祀ってきた。だから、インドの女性は今も、眉の間にヘナで模様を描くし、結婚式やお祭りには、手足にヘナで模様を描くのだ。
(ヘナタトゥ) 熟練次第でだれにでもヘナタトゥはできるが、インドでは町に専門の職人がいる。とくにインド北部のパンジャブ地方や、西部のムンバイの職人(メンディワリ)が一番腕がいいと認められているようだ メンディワリは世襲が多く、6、7歳から修行をはじめ、腕のいいメンディワリは結婚式に呼ばれ、花嫁だけでなく、列席者にもヘナタトゥを施すそうだ。

ついでに補足すると、日本でもここ2、3年、このヘナタトゥ(ヘナアート)は若い女性の間で確実にブームになっている。東京の青山や銀座には専門のショップがあるし、新宿の老舗デパート・伊勢丹にも夏季だけ専門のコーナーが登場する 多くの場合、美術大学の学生がアルバイトでヘナアートをこなす。ノースリブになる夏の間は、上腕部に描くヘナアートは 週間で消えてしまうという理由もあってか、手軽に楽しむ若い女性が多い。 日に人を超える客をこなしているようだ。











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